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住宅の断熱等級の調べ方を解説!性能が高いほど快適って本当?

マイホームを新築するために情報収集をしていると、断熱等級の高い家がおすすめという情報を見かけませんか。
そもそも断熱とは、外からの熱が室内に流入することを防ぎ、室内の温かい空気を外に逃がさないようにするための措置です。
つまり、断熱性能が高いほど、室内の快適な温度をキープしやすくなるのです。

この記事では、断熱の性能を数値化した「断熱等級」について詳しく説明し、家の断熱等級の調べ方や断熱性能を高めるメリットなどをご紹介します。

「断熱等級が高い家を選ぶべき3つの理由」

マイホーム購入を検討する際、住宅の性能は重要なポイントになります。性能の中でも特に重視すべきなのは「断熱等級」なのですが、その理由は以下の3つに集約されます。

・光熱費を削減できる
断熱性能の高い家は外気温の影響を受けにくいため、冷暖房の使用を抑えられるのがメリットです。断熱性能の低い家と比べると、最大40%の省エネ効果が期待できます。

・ 健康リスク(ヒートショック)を防ぐ
室内の温度差が小さくなることで、冬場のヒートショックリスクを軽減し、高齢者や子どもにも安心な住環境を実現します。

・ 住宅の寿命を延ばせる
高断熱住宅は室内外の気温差による結露を防ぎ、カビ・ダニの発生を抑制するため、建物の耐久性が向上します。

では、そもそも断熱等級とは一体何なのか、等級によって快適性がどれくらい変わるのか、詳しく解説していきます。

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『断熱へのこだわり』についてはこちら

家の性能を決める断熱等級とは?

暑さ寒さに左右されない住宅のイメージ図

断熱等級(断熱等性能等級)とは、家の断熱性能を7段階(等級1~7)で示す指標です。数字が多いほど断熱性能が高く、外気温に左右されない快適な居住空間が実現できます。

断熱等級は、2000年に国土交通省が施行した「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に基づいており、省エネルギー基準への適合性を評価する重要な項目です。この等級は、UA(ユーエー)値とηAC(イータエーシー)値という二つの指標で評価されます。

UA値とは?

UA値(外皮平均熱貫流率)とは、家全体からどれくらいの熱が逃げるかを表す指標です。数値が小さいほど断熱性能が高く、熱が逃げにくい家といえます。

例えば、UA値が0.5W/㎡Kの住宅は、UA値が1.0W/㎡Kの住宅と比べて、同じ条件下で半分しか熱が逃げません。そのため、寒さが厳しい時期でも、快適な室内環境を保ちやすくなります。

ηAC値とは?

ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)とは、冷房期に日射熱をどれだけ遮れるのかを表す指標です。数値が小さいほど日射熱を遮る効果が高く、冷房効率がよい家といえます。

断熱等級別の違い

断熱等級の違いを、表を交えて解説します。

断熱等級

施行年月日

概要

7

2022年(令和4年)10月

HEAT20「G3」レベル※1

6

2022年(令和4年)10月

HEAT20「G2」レベル※2

5

2022年(令和4年)4月

ZEH水準レベル※3

2030年以降の最低基準になる予定

4

1999年(平成11年)

次世代省エネ基準

2025年以降の最低基準

3

1992年(平成4年)

新省エネ基準

2

1980年(昭和55年)

旧省エネ基準

1

旧省エネ基準以下

※1室温をおおむね15℃以上に確保できる程度の性能(1.2地域を除く)
※2 室温をおおむね13℃以上に確保できる程度の性能(1.2地域を除く)
※3 断熱等級5の基準かつ、一次エネルギー消費量等級6を確保できる程度の性能

 

2022年まで最高ランクであった等級4は、欧米の省エネ基準の半分以下の性能でした。また、個人住宅の省エネ化やCO2排出量削減が急務の課題となったため、2022年4月以降、次々と新しい断熱等級が制定されています。

新築住宅では、2025年から断熱等級4以上、2030年には等級5以上が義務化される予定です。酷暑や光熱費急騰に悩まされている今、住宅の断熱等級を上げることは家族の安全と健康、家計を守ることにつながるでしょう。

ZEH(ゼッチ)水準とは?

ZEHとは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を略した言葉です。ZEH水準の家とは、一次エネルギー消費量(冷暖房・換気・照明・給湯などの消費エネルギー量)の支出がゼロになるよう、高断熱・高効率設備を導入した住宅のことを言います。断熱等級では等級5に相当する性能です。

HEAT20とは?

HEAT20とは、「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称です。ZEH水準よりも厳しい基準が設けられており、G1・G2・G3の3段階で区分されます。断熱等級では、G2が等級6、G3が等級7に相当します。

地域区分

断熱等級を決定する要因に、地域区分があります。日本は地域によって平均気温が大きく異なるため、8つの地域区分を設けています。1~8地域は、それぞれ基準となるUA値とηAC値が異なるため、お住まいの地域に合わせた住宅性能にする必要があるのです。

北陸では富山県は5地域に該当し、石川県は3~6地域と幅があります。

出典:住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム|国土交通省

3~6地域が、等級4~7を取得するために必要な、UA値とηAC値の基準を見てみましょう。

地域区分

3

4

5

6

等級7

UA値

0.20

0.23

0.26

0.26

ηAC値

3.0

2.8

等級6

UA値

0.28

0.34

0.46

0.46

ηAC値

3.0

2.8

等級5

UA値

0.5

0.6

0.6

0.6

ηAC値

3.0

2.8

等級4

UA値

0.56

0.75

0.87

0.87

ηAC値

3.0

2.8

例えば富山県全域が該当する5地域の場合、等級7を取得するには、等級4の基準値より3倍も断熱性能を高める必要があります。性能のよい家ほど建築費用が高くなりますので、建設予定地の地域区分を加味し、住宅会社に相談して断熱等級を決定しましょう。

断熱等級を調べる方法

完成後の住宅をチェックして回る検査員

断熱等級が高い家ほど、外気温に左右されない快適な環境を維持できることがわかっています。では、戸建ての断熱等級はどう調べればよいのか、確認してみましょう。

【新築】住宅性能評価書を確認する

注文住宅を新築する際、断熱等級を調べるには主に2つの方法があります。

1.住宅性能評価書(設計住宅性能評価書、建設住宅性能評価書)の確認

住宅性能表示制度に基づいて検査される「住宅性能評価書」の中に「温熱環境・エネルギー消費量(省エネ性)」という項目があり、外壁や窓などの断熱性能が等級1~7で表示されています。また、一次エネルギー消費量の性能(※)も等級1~6で表示されており、省エネ性能が確認できます。

注文住宅が取得できるのは「設計住宅性能評価書」と「建設住宅性能評価書」の2種類です。設計住宅性能評価書は設計図書に基づいて評価され、建設住宅性能評価書は現場検査で設計通りに施工されているかを確認した上で評価されます。

ただし、これらの住宅性能評価書の取得は、義務付けられているわけではなく、施主が取得を希望する必要があります。さらに、完成した後で取得することはできません。

※冷暖房・換気・照明・給湯など住宅内で消費するエネルギー量が、1年間にどれくらいになるのか数値化した指標で、等級が上がるほど省エネ住宅になる。新築する場合、省エネ住宅の基準は、等級4以上が求められている。

2.建築士による省エネ基準の説明を受ける

2021年以降、300㎡以下の新築住宅では、建築士から施主に対して行われる「省エネ性能の説明義務制度」が必須となっています。この説明の中で、設計に基づく断熱等級の確認が可能です。

いずれにせよ、設計時に地域区分に準じた断熱等級が確保できるよう、住宅会社に希望を伝えるとよいでしょう。

【建売・中古物件】販売元に確認する

建売住宅や中古住宅の場合、断熱等級を調べる方法は主に2つあります。

1. 売主への確認

まずは、住宅性能評価書を持っているか確認してみましょう。ただし、取得は義務ではないため、無い場合もあります。

2. 既存住宅性能評価書の利用

次に検討するのが、買主が依頼して評価を受ける方法です。建物が完成してからでは、設計・建設住宅性能評価書を取得できないため、建売と中古住宅の断熱等級を調べるには「既存住宅性能評価書」を利用しましょう。

費用は数万円〜数十万円程度で、評価機関によって異なります。売主が取得してくれる場合もあるので、相談してみましょう。

住宅の断熱性能を高めるメリット

トリプルサッシを採用した高断熱の家

住宅の断熱性能を高めると、住む人にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

光熱費削減につながる

断熱性能を高めるには、高性能な断熱材や複層ガラス、高断熱サッシなどの高価な部材を使用するため、イニシャルコスト(初期費用)がかかります。しかし、初期費用が高くなったとしても、住み始めてからの光熱費を削減できるため、ランニングコストを抑えることが可能です。

断熱等級4の家を基準として比較した場合、等級7の家にすると約40%の省エネ効果が得られるよう計算されています。例えば、断熱等級4の家で、光熱費が年間24万円かかると仮定しましょう。断熱等級7の家は等級4よりも40%の省エネ効果が得られるため、年間光熱費は約14万円になるというわけです。

そもそも「なぜ断熱性能が高い家は、冷暖房の設定温度が同じでも快適に感じるの?」と疑問に思うかもしれませんが、その理由は体感温度にあります。私たちは室温だけでなく、壁・天井・床の表面温度によって「暑い」・「寒い」を感じ取っています。

断熱性能が低い家だと、冬場は外気温の影響を受けて壁・床・天井の表面温度が下がり、体感温度を低く感じてしまうのです。寒いからとついつい暖房の設定温度を上げてしまい、これが光熱費の上がる原因になります。

断熱性能の高い家であれば、外気温に左右されなくなり、冷暖房の設定温度を低くしても快適に感じるようになります。

ヒートショック等の健康被害から守る

断熱性能の高い家をおすすめする理由の一つに、ヒートショックのリスク軽減が挙げられます。

そもそもヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかることで起こる健康被害です。冬場の暖かい部屋から寒い浴室やトイレに移動した際に起こりやすく、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす危険性があります。

ヒートショックが原因とされる、冬場の浴室での死亡者数は、交通事故の死亡者数の約2倍というデータもあります。特に65歳以上の高齢者、高血圧や糖尿病などの持病がある方は注意が必要です。

具体的に断熱等級の違いで、建物にどれくらいの温度差が生まれるのか見ていきましょう。

 

出典:LIXIL ビジネス情報 | 省エネ性能の説明義務制度のポイントを理解しよう!

こちらの画像は、6地域(東京など)の外気温が0℃の場合、リビングダイニングの室温を20℃に設定したときの比較図です。左は等級4、右は等級7ですが、等級4の場合リビングと暖房のない部屋との温度差は10℃程度あります。一方等級7の場合、温度差は5.9℃となり、暖房がなくても家全体が温かく保たれていることがわかります。

また、断熱性能の高い家はヒートショック予防になるだけでなく、住む人の健康維持にもつながるのが特徴です。国土交通省は「部屋間の温度差が大きいほど血圧が高くなる傾向にある」「寒い家に住む人はコレステロール値が高かったり、心電図に異常所見が見られたりする傾向にある」などのデータを発表しています。

家の暑さ寒さは快適性に影響を及ぼすだけでなく、健康にまで影響します。断熱性の高い家を建てて、家族の健康を守りましょう。

補助金交付・ローン金利の優遇

断熱性能の高い住宅は、国や地方自治体から補助金が交付されたり、ローン金利が優遇されたりする場合があります。

省エネ基準を満たす住宅を建築すると、補助金制度が利用できるケースが多いのですが、中でも、子育て世帯(18歳未満の子を有する世帯)、若者夫婦世帯(夫婦いずれかが39歳以下の世帯)は優遇されやすくなっています。

<補助金制度の例>

補助金制度

交付対象

補助金額等

子育てグリーン支援事業

GX志向型住宅の場合

①断熱等性能等級「6以上」

②再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」

③再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上」

160万円/戸

住宅ローン減税

省エネ基準適合住宅以上の住宅を取得した場合

年末のローン残高の0.7%を所得税から13年間控除

なお、断熱等級の高い家を建てると地方自治体独自の補助金制度が利用できることもあります。基本的に国が主導の補助金制度は重複して国の他の補助金制度を受けることができませんが、地方自治体の補助金制度は併用可能なものもあるため、自治体窓口に問い合わせるか、住宅会社に相談してみるとよいでしょう。

また、省エネ基準を満たす住宅は、住宅ローンの金利優遇を受けられる場合があります。
例えばフラット35Sは、断熱等級5以上の新築住宅を取得する場合、他の住宅を取得したときよりも借入金利が優遇されたり、一定期間金利の引き下げが行われたりします。

これらの補助金や金利優遇制度を利用することで、断熱性能の高い住宅をよりお得に手に入れることが可能です。

住宅の耐久性向上につながる

断熱性能の低い家は、冬場に窓や壁が冷えやすく、室内との温度差によって結露が発生しやすくなります。たかが結露とあなどって対策を怠ると、木材を腐食させたり、カビやダニの発生を促したりするなど、住宅の劣化を早める原因となります。
さらに木材の腐食は住宅の強度低下を招き、シロアリ被害にもつながるため、躯体に深刻なダメージを与えかねません。

断熱等級を高めることで気温の影響を受けにくく、室内との温度差が小さくなるため、結露の発生を抑えられます。ひいては住宅の耐久性を向上させ、長く安心して住み続けられることにつながるのです。

断熱性能にこだわった家づくりをするならSHOEIの家へ

断熱性能の高いSHOEIの家で過ごす家族

家づくりは、つい内装や間取りに目がいきがちですが、ランニングコストを抑えて快適に過ごしたいのであれば、家の性能にもこだわりましょう。特に富山県・石川県は冬の寒さが厳しい地域のため、断熱性能は家づくりの重要なポイントになります。

SHOEIの家では、標準でUA値0.46W/㎡・Kを実現。これは富山県・石川県が属する地域区分5において、断熱等級6に相当する高い断熱性能です。

▶SHOEIの家は魔法瓶の家!

『断熱へのこだわり』についてはこちら

また、SHOEIの家は気密性にもこだわっています。気密性を表すC値は、0.5㎠/㎡以下を実現。高い断熱性能と気密性を組み合わせることで、魔法瓶のように熱を逃がさない家を実現しています。

高断熱・高気密の家は、光熱費削減だけでなく、ヒートショックの防止、結露の抑制、住宅の耐久性向上など、さまざまなメリットがあります。
長期的な視点で快適さと経済性を両立できる家づくりをするなら、ぜひSHOEIの家へご相談ください。

モデルハウスでは、実際にSHOEIの家の快適さもご体感いただけます!

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